院長のひとことアドバイス
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院長のアドバイス
院長から個別的・全体的な病気についてのアドバイス等を随時発信して参りたいと思います。
1:皮膚の乾燥で困っている方へ
皮膚の乾燥を訴えて受診される方がとても多いし、また増加傾向にあります。 皮膚の乾燥は、皮膚にとってとても重要な保護作用(バリア機能)が低下しますので、乾燥からの他の病気も引き起こしやすくなります。
皮膚の最外層は、ラップ1枚の厚さの繊細な角層です。この部位の状態を健常に保つために、まずは、洗いすぎ、擦り過ぎないように心がけてみてください。
また、シャンプーが顔、首筋にかからないようにしましょう。
冬季には、室内の湿度はできたら40%を保つようにしましょう。
2:治らない皮膚病と思っている方へ
アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、尋常性乾癬などの難治性の皮膚病の方は、治らないと思われている場合があります。しかし、多くの方を見てきて、治療ができた方が多いのも事実であり、また1年に1回の受診で済むような方もいらっしゃいます。
診療をする立場としては、難治性の疾患の方に、安易に治るとは言えない面があるのも事実です。しかし、治るという希望を持つことが、どれだけ治癒能力を高めるかは、精神身体医学の面からも証明されています。どうか、希望をもって治療に努力してみてください。一般的な、健康生活としての睡眠、食生活、運動、ストレスマネージメントなども検討されるのもよいでしょう。皮膚病でも関係しています。
3:薬の副作用が心配な方へ
薬の副作用を、とても心配される方を、ときどき見かけます。現在は薬情報として、作用よりは副作用を説明される機会が多いのも影響しているのでしょう。
もちろん薬を使用しなくてもいい状態が理想でありますが、病気から完全に逃れることは、人生でほぼ不可能ではあります。
私は子供の頃は病弱で、薬に助けていただいたものです。年を経て現在も薬は利用しています。私の薬を飲む時、外用する時の心構えを紹介します。「薬さん、私のために多くの人の力で、今ここにいるね。ありがとう。あなたの良き作用だけが私に働くように頼むね」といった気持ちです。
難治性の病気の治験の時は、その治験に同意した患者さんも、医師も、偽薬か、本物か分からないようにするんです。作用も副作用も丁寧に説明を受けるのですが、偽薬だった方でも10%弱有効例がみられ、驚くべきことに偽薬の方の10%弱にも、説明を受けた副作用が発現するそうです。治験を受けた方の、心がプラスあるいはマイナスのどちらが影響を受けやすいのかの差ではないでしょうか。
ともあれ、どうせ薬を使用するのであれば、感謝の心で利用し、不都合なことがあれば遠慮なく相談されたら良いでしょう。